Jasion(じぇいそん) J-Board JS1は500Wモーターを搭載した、16才以上であれば免許不要で乗ることができる、特定小型電動キックボードです。
今回は、そのJasion J-Board JS1の乗車レビュー(装備編、乗車編)を纏めていきます。
Jasion J-Board JS1を検討されている方や、これから特定小型電動キックボードを手に入れたいと考えている方にとって、購入前に押さえるべきポイントから、安全面や交通ルールと心構えまで理解できる内容です。ぜひ最後までご覧ください。
- Jasion J-Board JS1の基本装備のレビュー
- 特定小型電動キックボードに乗る前の心構えが分かる
- 最大航続距離や坂道登坂能力、ギャップ吸収力などの性能が分かる
- モーターブレーキやヘルメット、空気圧のチェック方法などが理解できる
500W特定小型電動キックボード「Jasion J-Board JS1」乗車レビュー(仕様と装備編)
- Jasion J-Board JS1の基本スペック
- Jasion J-Board JS-1を手に入れる前に感じた評価ポイント
- J-Boardの純正ミラーを交換した件
- 重さやサイズ感は?
- ODOメーターとTRIPメーターの切り替えと機能
- 歩行モードへの切り替え方
- スマホやドラレコカメラなどの充電しながら走行が可能
- 【注意点】タイヤの空気圧の維持
- 特定小型電動キックボードの交通ルールを理解しておこう
Jasion J-Board JS1の基本スペック
項目 | 詳細 |
---|---|
品番 | J-Board JS1 |
カラー | ブラック |
折り畳みサイズ (mm) | 1130 x 590 x 520mm |
展開サイズ (mm) | 1130 x 590 x 1410mm(ミラー部分含む) |
タイヤサイズ | 10インチ |
適用年齢 | 16歳以上 |
適用身長 (cm) | 150cm~200cm |
本体重量 (kg) | 約18.2kg |
耐荷重 (kg) | 120kg |
最高速度 (km/h) | 19km/h |
歩道モード | あり(5km/h) |
航続距離 (km) | 30km~35km |
適用地面 | アスファルト, 舗装路, 段差2cm以下 |
登坂可能勾配 | 約20%(11.3度) |
防水レベル | IP55 |
ブレーキ | 前輪ドラムブレーキ, 後輪ディスクブレーキ |
総重量 (kg) | 21kg |
モーター定格電力 (W) | 500W |
バッテリー定格容量 (Ah) | 10.4Ah |
バッテリー定格電圧 (V) | 36V |
最大充電電圧 (V) | 42V |
バッテリー充電サイクル | 800回+ (80%以上) |
バッテリー管理システム(BMS) | 過充電や過放電による性能劣化防止 |
バッテリー種 | 三元リチウムイオン電池 |
バッテリー保管温度(1~3か月:短期) | -10℃~35℃ |
バッテリー保管温度(3か月以上:長期) | -10℃~25℃ |
充電器定格出力 (W) | 84W |
定格入力電圧 (V) | 100V~240V, 50/60Hz |
定格出力電流 (A) | 2A |
充電時間 | 約4.5時間 |
最大出力電圧 (V) | 42V |
保証期間 | 1年間 (2024年12月31日のご購入は2年間まで延長) |
※組み立てや維持費、そして税金に関しては以下の記事を参考にしてください。
Jasion J-Board JS-1を手に入れる前に感じた評価ポイント
J-Boardの評価できる点は、主に以下のような点です。
- 500Wのパワフルモーター搭載で坂道登坂能力が高そう。
- セール時は85000円で手に入るので、コスパがよい。
- サス無しだが10インチのタイヤは大きく、ギャップ吸収力が高く安定してそう。
- 充電ポートが装備されていて、MAPやドラレコなどを継続して使えそう。
これらのポイントが実際にどうなのかも含めて、レビューを行っていきたいと思います。
特定小型電動キックボードのヘルメットについて
2023年の法改正でヘルメットの着用は努力義務となっりました。
曖昧な言い方ですが「努力する義務がある」ということですから、特定小型電動キックボードを安心して楽しむためにも、ヘルメットは着用しましょう。
とはいえ、明確にヘルメットの仕様に規定があるわけではありませんので、どれにするか迷つている方も多いかもしれません。
そんな中、最近LUUPから純正のヘルメットが発売されました。このヘルメットが取得している安全規格が、自転車向けのCE(EN1078)となっていますので、今後は、この安全レベルが一定の基準となつて来るでしょう。

また、ショッピングサイトでヘルメットを探す際は”CE規格”とだけ書いている製品があることに注意してください。その多くは、EN1078に対応しておらず、強度が足りない場合が多くなっています。
一方で、ヘルメットの着用自体、特定小型電動キックボードより速く爆走するノーヘルメット自転車のほうが圧倒的に多い中で、特定小型電動キックボードだけヘルメットをかぶらないといけないの?と考えてしまうかもしれません。
ですが、他の誰かが被っていないから、自分も被らないというのも稚拙な理論ですし、そもそも自賠責も軽自動車税も課せられている車両なので、かぶったほうが良いに決まってます。
そこで、私がお勧めしたいのが「帽子型のCE1078ヘルメット」です。

これだと見た目が普通の帽子なので、パッと見てヘルメットをかぶっているという感じはしませんし、日焼け防止にもなつて、しっかり安全規格も取得しているので、特定小型電動キックボード用としては十分てす。
参考までに私が使っているのは下記のCEマーク(EN812およびEN1078)取得済みの製品です。使ってみて、強度も十分なことを確認しています。

実は、これを買ってから、中身のヘルメット部を抜き出して、愛用のLOGOSのハットに入れ替えて使ってます。
同じサイズ感のハットやキャップであれば、簡単に入替出来るので、自分の愛用の帽子をヘルメット化することも出来ます(ただし、首紐で固定できるものである前提です)。
J-Boardの純正ミラーを交換した件
J-Boardには純正ミラーがついていますが、組み立て時にパタンと車体が壁にもたれかかった拍子に、簡単に割れてしまいました。
そこで、頑丈なオフロードバイク用の折りたたみできるミラーに変えてみました。
これが思いのほか良く、視認性も増して、使わないときは折りたたむことも出来て、壁に少しぶつかった程度で割れる心配は無さそうです。

使ったのはこちらです。アマゾンで1500円程度なので、割れていなくても交換した方が良いかもしれません。

重さやサイズ感は?
折りたたんだ状態で十分にコンパクト「1130 x 590 x 520mm」で、玄関にギリギリ置けるぐらいです。
重さは21Kgあるので、男性なら片手で持てないことは無いですが、輪行して担いで移動しようという気にはちょっとなれません。
ODOメーターとTRIPメーターの切り替えと機能
歩行モードとの切り替え方と間違えがちですが、ODOとTRIPメーターの切り替えは電源ボタンを短く1回押すと変更できます。
ODOメーターは総走行距離で、TRIPメーターは電源をONしてからOFFするまでの距離です。
つまりTRIPメーターは降りて電源を消しただけでリセットされてしまうので、気が付いたらゼロになっている感じで、あまり使えません。
なので、主にODOメーターで距離感を掴む形になります。ODOメーターは、バッテリーを外していてもリセットされません。
歩行モードへの切り替え方
歩行モードへはブレーキを握りながら、電源ボタンを2回おすと、変更できます。

歩行モードの5km/hですが、徒歩の人に抜かれるぐらいの速度になるので、正直なところ、わざわざ使うことはなく、歩道に入るときは押して歩くことになるでしょう。
もし坂道(上り)で自転車走行可能な歩道を、通過するような場面があれば、歩行モード(5km/h)で、楽に坂を登れるかもしれませんが、普段は使う場面はほとんどないでしょう。
スマホやドラレコカメラなどを充電しながら走行可能
モニターの下部にUSB(TYPE-A)ポートがあり、スマホやドラレコ用のカメラなどにバッテリーから給電できる仕様になっています。
このポートが搭載されている電動キックボードは少ないし、あると非常に便利なので、ポイントが高い装備と言えます。

【注意点】タイヤの空気圧の維持
タイヤの空気圧は45PSI=300kpaとなります。
10インチは一般的には小径タイヤなので、この空気圧を維持するのは意外と難しく、最低1か月に1度は圧力チェックと調整を行う必要があります。
圧力が低下すると走行距離、速度性能、ギャップ吸収力、パンクしやすさなどに影響するだけでなく、外装とタイヤが干渉する可能性もあり、危険なので注意しましょう。
特定小型電動キックボードの空気圧のチェックと空気入れは電動空気入れが、ほぼ必須です。
当サイトでお勧めしているのは、日本製のコードレス電動空気入れ「PANP RIDE PRO」です。長く使うものなので安い中華系ではなく、国内サポートの受けられるものを選んでおいた方がよいです。
これ一つあると、家中の空気入れが自動化できるので、一生分の手動の空気入れから、12980円で解放されますので、安いもんです。
レビュー動画を貼っておきますので、もしよろしければ参考にして下さい。
特定小型電動キックボードの交通ルールを理解しておこう
特定小型電動キックボードに乗ってみるとわかりますが、交通ルールについて、曖昧で難しい点が多々あります。その上で、LUUPに乗るときに受ける簡単なテストレベルで免許を持たない人が自転車感覚で乗っていると、危ないな、と思える部分もあるでしょう。
以下に、よくわかる基本の乗車ルール動画と、警視庁のページをリンクしておきます。どちらもしっかり見て理解しておけば、スタートラインには立てると思います。
①JA共済さんの自動車教習所レベルの優しい基本ルール
②【警視庁】特定小型原動機付自転車に関する交通ルール等について
特定小型電動キックボードの1次情報なので、内容を確認しておきましょう。特に反則や罰金についてと、標識に関する部分は必ず押さえておく必要があります。

以上のような基本情報を得たとしても、まだ不明な部分が残るというのが現状です。私も不明な点があり、大阪府警に直接電話したこともありますが、明確な回答を得られず、警察も答えを持っていない場合があるということを知りました。
その上で、大切なのは、不明な場合の行動です。
私は、わからない場合は、以下のように対応しています。
①その道で無理に曲がるのを止めて迂回する。
②降りて歩行者になる。
③周囲の状況を把握し合わせる。
④交差点は片側何車線だろうと全て2段階右折が正しい。
これから購入を検討される皆さんも特定小型電動キックボードは自転車とも違い、原付とも違うルールがあることを理解していただいて、くれぐれも自分の命と周囲に配慮して、安全マージンを取って、楽しんでください。
500W特定小型電動キックボード「Jasion J-Board JS1」乗車レビュー(乗車編)
ここからは乗車レビューです。Jasion J-Board JS1に乗ってみて検証した点や気付いた点をQA方式で纏めていきます。
- 足の収まり具合は?
- 走り出しの難しさは?
- ブレーキ操作の難しさは?
- 坂道登坂能力の20%の実力は?
- 坂道でモーター(電磁)ブレーキは効くのか?
- 10インチタイヤの安定性やギャップ吸収力は?
- 35kmの航続距離は本当か?
足の収まり具合は?
私の足のサイズは27.5㎝ですが、靴を履いた状態での足の幅は10㎝程度です。
少しはみ出しますが、両足を揃えて乗ることは十分できます。また、電動キックボードは後ろ足に重心が来るので、後ろ足が疲れてきますが、足を前後に入れ替えることも、慣れればできます。(慣れるまでは、降りてから乗り足を入れ替える事!)

走り出しの難しさは?
感覚的な説明になりますが、半歩軽く踏み出す程度で走り出します。かなり簡単に走り出すので、逆にビックリするくらいです。走り出しが難しいということはありません。

ブレーキ操作の難しさは?
J-Boardは「前輪ドラムブレーキ/後輪ディスクブレーキ」です。前輪よりも後輪ブレーキを強めに掛けるほうが、重心的に安定して停止できます。なので、放熱性に優れ安定した制動力を確保できるディスクブレーキを後輪に採用しているのでしょう。
実際の制動距離は、自転車とさほど変わらない印象です。速度は速くても19km/hなので、ロックして”つんのめる”ような状況には、よほどのことが無い限りありませんし、特別練習が必要なレベルではないでしょう。

坂道登坂能力の20%(11.3度)の実力は?
登坂能力は運転者の体重により、かなり性能差がでます。
目安として、私の体重が79kg/179㎝ですが、角度8~9度(約15%)の坂を上り切るのが、ギリギリというラインです(下記動画をご確認ください)。
5-6度程度(約10%)の坂になると8~10km/h程度は出ています。実際には8~9度の坂というのは、かなり急なので、町中のほとんどの坂は対応できると考えて問題ありません。
また、体重が軽い方であれば、20%は十分登れる能力があります。
試しに6kg程度の荷物を背負って、5-6度の坂道を走行したら、それだけで速度がー2~3km/h落ちたので、私より軽い、例えば60kg台程度の方であれば、登坂能力は、かなり上がると考えられます。
坂道でモーター(電磁)ブレーキは効くのか?
最高速度19km/hのJasion J-Boardですが、坂道(下り)での動作には以下の3パターンの挙動があります。
①坂道(下り)でアクセルOFFにする | 速度は20Kを超え、上がり続ける。 |
②坂道(下り)でアクセルONにする | 速度が20K程度で、維持できる。 |
③坂道(下り)でアクセルOFFでブレーキ | 制動距離長めになるが、停止出来る。 |
まず①について、モーター駆動をOFFにすると、速度が上がり続けるので、注意が必要です。長い坂道だと30km/h以上になることもありました。
②について、下り坂でアクセルONにすると、モーターブレーキがかかり、20K前後に制御されます。坂道でアクセルをONにするというのは少し勇気がいりますが、長い坂では、ブレーキマネジメントも必要になるので、アクセルによるモーターブレーキを併用することが必要になる場面もあります。使い方に慣れておく必要があるでしょう。
③については、急な坂では制動距離が、感覚的に1.5倍程度伸びるので、速度が上がりすぎないように、注意が必要です。
以上、ブレーキの使い方について、上記を理解しておいて、場面に合わせて使い分けできるように練習しておきましょう。
10インチタイヤの安定性やギャップ吸収力は?
J-Boardはサスペンションはありませんが、搭載されている10インチタイヤは、8インチクラスタイヤの電動キックボードが多い中、かなり大きく安心感を感じます。
サスペンションが無いことで、軽量になるという利点もありますし、実際にサス付きモデルと乗り比べてみても、私は、差をほぼ感じませんでした。
よって、10インチタイヤであればサスペンションは不要というのが私の結論です。

動画では激しい振動のように見えるかもしれませんが、これぐらいのダートとギャップは問題なく乗り越えられます。
35kmの航続距離は本当か?
これも体重で増減すると思いますが、私が約15km走って、バッテリーのメモリが2つ減ったので、残り3メモリで、およそ35Km程度は走ることは出来そうです。
この写真では20km走ったことになっていますが、5km走った時点でフル充電していますので15kmで間違いありません。
Tripメーターが電源OFFでリセットされてしまうため、わかりずらい画像ですいません。
【総括】Jasion J-Board JS1/500W特定小型電動キックボードの乗車レビュー
以上、特定小型キックボード「Jasion J-Board JS1」の乗車レビューでした。
特定小型電動キックボードは、過渡期の乗り物で、少し乱暴に世に放たれましたが、1電動キックボード乗りとして、記事を公開する以上、ルールや車両の注意点も含めて、出来るだけ詳しく理解いただけるように努めていきたいと思います。
そして、この楽しい電動パーソナルモビリティを、安全に楽しめる世の中になるように、貢献できれば幸いです。
次回はLUUPとJasion J-Board JS1を乗り比べてみた編をレビューしていきます。LUUPに乗ったことある方は多いと思いますが、J-Boardとの差がどれくらいあるのか、解説していきます。
関連動画もそのうち公開します!