ラップポンシリーズで有名な日本セーフティー株式会社から満を持して発売された、アウトドア、車中泊向けの無水ラップ式トイレ「ラップポン・サニー」。
別の記事でも詳しく紹介させていただきましたが、今回は、実際に購入し、我が家のキャンピングカーで使用するまでをレビューしていきます!
これから無水ラップ式トイレの購入を検討している方の参考になるように気になるポイントを徹底的にレビューしていき、最後に感じたメリット・デメリットを纏めていきますので、ぜひ、最後までご覧ください!
- ラップポン・サニーの特徴と他製品との比較が具体的に理解できる
- キャンピングカーへの設置の具体例が分かる
- フィルムの強度や防臭力が分かる
- 実際に使って分かったメリット・デメリットが理解できる
【レビュー】ラップポン・サニー徹底調査!
まずラップポンシリーズや競合他社製品のなかで、なぜラップポン・サニーを選択したか?については、こちらの記事で詳しくご紹介していますので、色々と比較して決めたいという方は併せてお読みください。
この記事ではレビューを中心に進めてまいります。
- ラップポン・サニーのスペックと付属品
- 本体の重さは?本当に軽い?
- フィルムロールの装着しやすさは?
- 座面の広さや深さは?
- 設置後のぐらつき感やマルチルーム内の様子
- コネクタ・ケーブルの位置関係
- 操作性について
- フィルムロールの透け感は?
- ラップ後の臭い漏れがあるか?
- ラップ面の強度やフィルム自体の強度は?
- サードパーティ製の凝固剤を使えるか?
ラップポン・サニーのスペックと付属品
主な製品仕様
価格 | 121,000円 |
重量 | 7.0kg |
サイズ(展開時) | 幅36×奥行46.9×高さ42.1cm |
サイズ(収納時) | 幅36×奥行46.5×高さ24.7cm |
耐荷重 | 150kg |
付属品
- フィルムロール30回分×2セット
- AC/DCアダプター
- 凝固剤(30回/1ロール)×2セット
- 収納バッグ
- 取扱説明書



本体の重さは?本当に軽い?
本体の重さは7kgです。5か月の赤ちゃんぐらい?1升炊きの炊飯器ぐらい?の重さで、ずっしりはきますが、重いと感じることはありません。
ラップ式トイレとしては、かなり軽量です。キャンピングカーは重さ=燃費や走行性能にかかわってくるので、軽いというのはかなり重要なポイントです。
収納バックに入れると持ち運びはかなり楽
収納バックが付属しており、常設しない方はこれに入れておくと持ち運びが便利ですね。袋に入れてしまうと軽さもさらに実感できます。


フィルムロールの装着しやすさは?
取扱説明書を見ながら装着すれば、迷ったり、難しいと思う点はありませんでした。以下、参考までに装着のポイントになる手順を纏めておきました。

- 便座、フィルムロール固定具(フィルムガイド)を外す
- フィルムロールを取り付ける(上下の矢印通りに)
- フィルムロールを固定しているストラップを外す(簡単に外れます)
- フィルムガイドを戻す(カチっというまでしっかり)
- フィルムロールの外側からフィルムを持ち上げる
- 30㎝程持ち上げて上部を一纏めにして、そのまま便座の中に押し込む
- サニーの内部に取り付けられている専用治具を外し、抵抗がなくなるまで押し込む(押し込む場所は矢印で指示されている)
- 便座を戻して完了
その後「START」ボタンを押して、開始圧着を行えば、取り付け完了です。
座面の広さや深さは?
ラップポンは座って使うことが前提です。その為、ビニールの深さや便座の幅が大人でも十分余裕のあるものか、使用前までは心配でした。
跳ね返りがあったり、毎回きれいなフィルムになっていると言っても、いざという時に便座内に触れてしまうのはやっぱり嫌ですからね。


結果は、この通りで普通のトイレと同程度のスペースが確保されていました。実際に使用してみても、身長179㎝の大人が使用して普通のトイレと全く同じ感覚で使用できる十分な広さが確保されていて安心しました。


設置後のぐらつき感やマルチルーム内の様子
我が家のキャンピングカーは【セキソーボディ/TOM200】です。TOM200はマルチルームがスライド式で引き出せるようになっていますが、ラップポン・サニーの足を展開した状態で常設するには、マルチルームを引き出した時に使う折りたたみ板が邪魔なので、撤去しました。


マルチルームを縮めている状態で、ラップポン・サニーの長さが丁度いい具合に収まります。足の置き場に多少こまりますが、子供が使う時だけ使用できる簡単なステップでもDIYしようかなと思います。
耐荷重が150KGもあるので、体重79kgの私が座ってもぐらつきもなく、十分な安定感があります。足の部分には、滑り止めもついていて、ある程度の振動には耐えてくれそうです。


コネクタ・ケーブルの位置関係
ラップポン・サニーの電源コネクタは背面にあって、コネクタをさした状態で3㎝程度出っ張る形になります。よって、壁にピタッと沿って置けるかというと、コネクタが当たって出来ません。これは”くの字型”のコネクタで出してくれたらよかったなと思いました。

ただ便座のフタを開けて背もたれにする場合、フタ部分は斜めになりますので、少し前に出して置くぐらいがベストポジションです。
あとマルチルームにAC100Vが来ているかどうかもポイントになるでしょう。もしマルチルームにコンセントが無い場合は、外から引っ張ってこなければいけなくなります。我が家のTOM200はマルチルーム内にコンセントを後付けしてもらっていて、配線は内部完結する状態にしてあります。

操作性について
こちらも、ほぼ迷うことはなく、非常にシンプルで、下記の3ステップです。
- 背面の電源コネクタを差し、電源スイッチを押す。
- 前面のモニターに100という数字が出ていることを確認
- STARTボタンを2秒長押ししたらロールが巻き上がり圧着が始まる

フィルムロール終了時は、ロールに「STOP」の文字が出てくるので、「MANUALボタン」を押して残りのロールを送り出します。
フィルムロール交換時の作業として、ヒーターの圧着面にオイルを塗って、ヒーターにフィルムが張り付いてしまうのを防ぐ必要がある。

これが、やや面倒だし、オイルも小さいので、無くさないようにしないとなと思いましたが、ラップ式トイレだと基本的に必要になってくるメンテナンスなので覚えておくしかないでしょう。
フィルムロールの透け感は?
テスト用で「コーヒー+麦茶+にんにく」をブレンドしたマッドドリンクを作成し、ラップしてみましたが、透け感はこんな感じです。

やはり黒っぽいものは、透けてしまいますね。家族と言えど、ラップしたもの自体は自分で後片付けするようにしましょう。


ラップ後の臭い漏れがあるか?
今回ブレンドした「コーヒー+麦茶+にんにく」ですが、ラップした直後はほぼ臭いはありませんでした。

ただし、そのまま1日車内に放置してみると体感で防臭効果1割減ぐらいで、多少においを発するようになっていました。旅の途中で使った場合、破棄するポイントが無いような場合は、適切に2重防臭しておいた方が良さそうです。
ラップ面の強度やフィルム自体の強度は?
今回、投げつける、踏みつける等乱暴に扱ってみましたが、破れることはありませんでした。
ただし、強めのビニール袋といった感触なので、無理やり引っ張ると当然破れてしまいます。
溶接面は袋菓子を両サイドから開けるように引っ張ってみても、先に溶接されていないビニールの部分が破れ、溶接面は接着したままぐらいの強力で溶接されているので心配ありません。
どちらにせよ投げても靴で踏んでも大丈夫だったので、無理やり破るようなことをしない限り強度は必要十分な性能です。


サードパーティ製の凝固剤を使えるか?
今回アマゾンで買える、こちらのサードパーティ製凝固剤「Newsorb」を利用してみましたが、ラップポン・サニー専用として販売されている凝固剤と比較して、遜色は全く感じませんでした。

こちらの粉5gで、十分固める能力が高いので、これ一袋(1kg)を買えば数年は買い足す必要はないかもしれません。
食事の残り汁や歯磨き後のうがいなど、すべて、これで任せられるので、気兼ねなく使える価格はありがたいです。良い買い物をしました。

5gを計量するのはダイソーで売っていた「ひとふり計量ボトル」を使います。一振りで小さじ(5g程度)を使える設計になっていて便利です。100円均一なら、どこでも似たような製品は売っていると思います。

ラップポン・サニーを使って感じたメリット・デメリット
ここからはラップポン・サニーを、実際に使い、色々触ってみて、感じたデメリット5つ・メリット4つを忖度無しで纏めていきたいと思います。まずはデメリットから纏めていきます。


デメリット
①軽すぎて置くだけでは安定しない
キャンピングカーに常設して、いつでもすぐに使えるようにしておく目的で購入したので、足の部分も展開した状態で、マルチルームに置いておきたいところです。
しかし、この状態で運転すると滑り止めがあっても、中で動いてしまい、こんな感じにずれています。

我が家のトム200の場合マルチルームがスライドできますが、縮めている時はコンパクトな状態だから、これぐらいのズレで済んでいるとも言えます。
大きめのマルチルームを備えた中~大型キャブコンでは、中で倒れてしまう可能性も高まるので、足の部分を固定するか、最低限滑り止め用のマットの上に置くなどの対応が必要になるでしょう。
軽いというのはキャンピングカーの燃費にも優しいし、取り回しも楽という大きなメリットではありますが、常設という点では重量のあるラップポン・トレッカーWT4やブレオぐらいの重量があると、走行のズレは軽減されるかもしれません。
と、少しだけ思いましが、初期費用と運用コストも含めたコスパと取り回し(持ち運び)も考えると、今から買うなら結局、ラップポン・サニー1択です。
さすがに走行中、サニーが跳ねるようなことは無いので、我が家のTOM200では以下のように板を固定して段差を作り、足がずれないようにして様子を見ていますが、今のところずれることは無くなりました。

②フィルムロールは時間がたつと少し匂う。BOS(消臭袋)の2重封印がお勧め
圧着直後はほとんど臭いは感じなかった「麦茶+コーヒー+にんにく」ですが、そのまま1晩車内に保管すると臭い少し漏れ出し車内に蔓延しているのを感じました。ラップ後すぐが10割消臭できているとすると、1日経過したフィルムは、体感で9割程度まで落ちている感覚です。
この点は、フィルムも高級なクレサナやトレッカーWT-4のBOSタイプのフィルムロールよりは劣ることは、認めざるを得ません。
すぐに捨てる予定がない場合の対処法としては、BOSなどの消臭袋にいれて捨てると良いでしょう。またBOSを使えば中身の”透け感”もなくなるので一石二鳥です。
我が家はオムツ処理も、すべてBOSだったので、BOSには絶対の信頼を寄せています。BOSさえあればOK!BOSはMサイズが1回分で丁度ぐらいです。
フィルムロールと合わせて2重になるので生ごみ用(白)でも十分ですが、完璧にしたいならオムツ用(ピンク)が良いでしょう。下記「AMAZON」では生ごみ用が安くなっていますが、定価は同じです。


BOS一つあるとキャンピングカー内の臭い問題がほとんど解決するので、どちらにせよキャンピングカーには必携だと思っています。
このように、ラップポン・サニーのフィルムロールは単価が安いものの、多くの場合BOS袋を2重で使う必要があるという点ではデメリットと言えるでしょう。
ただ、BOSを追加で使ったとしても、1回の単価はサニーは十分安いので、サニーの方が気兼ねなく使えることに変わりありません。
ラップポン・サニー(フィルムロール+BOS袋の2重)≒91円/回
ラップポントレッカーWT4(BOSフィルムロールの1重)≒121円/回
<前提>凝固剤は純正品を使う/BOS袋は定価で購入
③アダプターのコネクタ位置が微妙
レビューで書いた通りコネクタが背面にあり3㎝程のサイズになっているので、壁にビタっと寄せて設置できません。
背もたれを直角にすることは無いにせよ、狭いマルチルームでは出来るだけ壁側に寄せて設置したい所です。この点は”くの字型”のコネクタにアダプターを改良してくれたら完璧ですね。

④専用フィルムロールが1ロール30回と少ない
ランニングコストがサードパーティ製凝固剤を使った前提で55円/回程度と安いので、気兼ねなく使える一方でフィルムロールの1巻が30回分と少ないのはデメリット。
ラップポン・トレッカーWT4のロールが50回(BOSタイプ)で、日々使っても1,5~2か月程度交換しなくてよい一方で、ラップポン・サニーは1か月程度で交換しなければならない。
狭いキャンピングカーでロールの交換はそれなりにストレスになので、交換頻度は少ないに越したことはありません。(因みにルーシールもロールは30回です)

⑤バッテリーレスでスタンドアローンでは使えない
バッテリーが無いので、ポタ電や車の電源が必ずです。これはメリットでもありデメリットとも言えます。
バッテリー有り(ルーシールなど)の場合は、リチウム電池の管理対象が増える為、消耗や交換、夏場に常設してよいか?という問題を考えなければならない。逆に、スタンドアローンで使えるというのは、電源の無い状況でも使えるという大きなメリットにもなります。

ただ、キャンピングカーやラップ式電動トイレを買おうという方で、ポタ電含むサブバッテリーシステムを持っていないという事は考え難いし、サニーにはシガーソケット給電が出来るオプションがあるので、車さえ生きていれば災害時でも使えます。そう考えるとバッテリー無しの方が逆に良いと私は考えました。
そう思わないという方も多そうなので、一応デメリット側に入れておきます。
メリット
①トイレっぽいフォルムで落ち着く
競合製品のルーシールの角ばった感じに見えてしまいますが、ラップポン・サニーはトイレっぽい丸みを帯びた柔らかい雰囲気が気に入っています。

②消耗品が手に入りやすい
ルーシールは本体も消耗品もナッツRVさんでしか買えない(記事作成時)ので、その点では、日本製ラップ式トイレの老舗である日本セーフティー株式会社は流通網が確立されていて、入手に困ることは無さそう。


※ただ、かなり売れていて、生産がおいついていないようで、ラップポンも消耗品も在庫切れになっているところが増えてきています(記事作成時点)。流通が安定してきたら、またお知らせしたいと思います。
③ランニングコストがとにかく安い
サードパーティーの凝固剤を使った場合は、55円/回。BOS袋を使う前提でも66円/回です。これはルーシールも含め、ラップポンシリーズの他製品と比較しても、最も安い価格帯です。
やはりトイレは使いたい時に気兼ねなく使う環境を整えたいので、長く使うと消耗品費用の差が、どんどん大きくなってくるので、この安さは製品選びの決め手になります。
④セッティングも使い方も、とにかく簡単だった
購入するまではフィルムロールのセッティングに悩むかもしれない、と思っていましたが、実際にやってみて迷うポイントはありませんでした。
使い方も他のラップポンシリーズと同様、シンプルで安心感があり、ラップポンシリーズの正統進化モデルと言って良いでしょう。
【まとめ】ラップポン・サニーをレビューして分かったメリット・デメリットについて
以上、日本セーフティー株式会社から発売された、アウトドア向けラップ式無水トイレ「ラップポン・サニー」のレビューとメリット・デメリットを纏めてきました。
ラップポン・サニーはラップポンシリーズの中でも軽量、低コストでありながら、これまでのラップポンの性能と遜色もない製品でした。
上位機種とされるラップポン・トレッカーWT4と比較しても、差分と考えられるフィルムロールの消臭性能とマルチルームに据え置きできる丁度いい重量感という点も、対処方法はあるので、軽量で取り回しやすく、初期コストもランニングコストも安い、ラップポン・サニーが現状ではベストチョイスだと思います。


また、ルーシールとの比較においては、甲乙つけがたい点はありますが、ルーシールは消耗品を含めた入手性と、ランニングコスト、サイズ、デザインなど総合的に見て、ラップポン・サニーのほうが良いと判断しました。
近年は災害も増え、何時発生してもおかしくありません。普段使いとして、キャンプ、車中泊や渋滞などの緊急時向けに大活躍し、いざという時には、快適な衛生環境が確保できる。そんなラップポン・サニーがある安心感は、かなり大きいと実際に導入してみて実感できました。
ぜひ、皆さんも快適な衛生環境を手に入れてください!
最後まで、お読みいただきありがとうございました。製品選びの参考になっていれば嬉しいです。