音声を記録し、AIで文字起こし・要約まで自動で行ってくれるスマートデバイス「PLAUD NOTE(プラウドノート)」と「PLAUD NotePin(プラウドノートピン)」。どちらも高性能なAI文字起こしプラットフォーム「PLAUD」に対応した製品ですが、見た目や使い方、対応シーンには大きな違いがあります。
この記事では、両者のハードウェア仕様の違いから、実際の録音精度の比較していきます。特にこの記事では、前回テストしたウェアラブルデバイス「PLAUD NotePin」に対し、スマートフォン録音に適した「PLAUD NOTE」のレビューを中心に行い、最近新たに追加された、PC用のデスクトップ録音ソフト「PLAUDデスクトップAPP」のレビューを行ってきます。
PLAUD NOTEとPLAUD NotePin「どちらを選ぶべきか」「何が違うのか」、そして、進化を続けるPLAUDプラットフォームの全容がりかいできますので、ぜひ最後までご覧ください。
- PLAUD NOTEとNotePinの用途や特徴の違いが分かる
- 録音状況による精度の変化や要約機能の実力が分かる
- スマホやPC、外部音源まで対応する柔軟な活用法が分かる
- 蓄積されたデータを活かすAI機能の利便性が分かる
【比較レビュー】PLAUD NOTE(プラウドノート)とNotePin(ノートピン)
- PLAUD NOTE(プラウドノート)とPLAUD NotePin(プラウドノートピン)の違い
- 【録音精度比較】PLAUD NOTEとPLAUD NotePin
- PLAUD NOTEとPLAUD NotePinを2台管理できるか?
- 多様な文字起こしが可能なPLAUDプラットフォームの進化は止まらない
- 優秀なアシスタント「AskAI」
PLAUD NOTE(プラウドノート)とPLAUD NotePin(プラウドノートピン)の違い
PLAUDアプリとPLAUD WEB(PC)で、出来る事はほぼ同じなので、まずはハードウェア仕様や相違点について以下にまとめます。差がある部分は、優れている方を青色で表示しています。
項目 | PLAUD NOTE プラウドノート | PLAUD NotePin プラウドノートピン |
イメージ | ![]() | ![]() |
カラー | ブラック|シルバー|スターライト | グレー|シルバー|パープル |
サイズ | H85.6*W54.1*D2.99 | H51*W21*D11 |
重量 | 30g | 16.6g |
マイク性能 | デュアルMEMSマイク AIノイズキャンセリング | デュアルMEMSマイク AIノイズキャンセリング |
スマホ通話録音 | 〇(振動伝導センサーあり) | ×(振動伝導センサーなし) |
有効録音範囲 | 最適範囲1~3m (75dbの録音で最大7メートル) | 最適範囲1~3m (75dbの録音で最大7メートル) |
ウェアラブル | × | 〇 |
ストレージ | 64GB | 64GB |
バッテリー容量 | 400mAh | 270mAh |
連続録音時間 | 30時間 | 20時間 |
スタンバイ時間 | 60日間 | 40日間 |
フル充電時間 | 2時間程度 | 2時間程度 |
防水機能 | 防滴不可 | 防滴機能あり(浸水不可) |
価格(税込) | 27,500円 | 28,600円 |
付属品 | 本体 MegaSafeマグネットケース マグネット吸着リング マグネット充電ケーブル 説明書 | 本体 マグネットピン クリップ ネックストラップ リストバンド 充電ドッグ 充電ケーブル(TYPE-C) クイックスタートガイド |
仕様を比較する限り、以下の3つのポイントが差になってきます。
①サイズとウェアラブル対応
小型、且つ、体への装着バリエーションの多さでは圧倒的にPLAUD NotePinに強みがあります。また、防滴機能を搭載しており、身につけている状態で急な雨が降ったとしても、耐性があるのは、24時間ログを取るようなハードな使い方に対応できる利点があります。
②バッテリー性能
サイズの差=バッテリーの搭載量の差分になっています。待機時間、連続録音時間ともにPLAUD NOTEが上です。ただし、NotePinでも20時間連続録音が可能なので、ビジネス用途で1日録音し続けることができ必要十分な性能と言えます。
③振動伝導センサーの有無
最大の違いとなるのが、振動伝導センサーが搭載されているかどうかです。PLAUD NOTEはスマホに装着して、振動録音が可能なので、スマホでの通話録音がしたいという場合は、PLAUD NOTE一択という事になります。
以上のような、仕様上の違いはありますが、実際の録音に性能差があるかは、仕様からは見えてきませんので、次の項で実機調査します。
【録音精度比較】PLAUD NOTEとPLAUD NotePin
PLAUD NotePin(プラウドノートピン)については以下のレビューで録音性能を徹底調査していますので、ご確認ください。
今回は、NotePinと同じ仮想会議の音源を使いPLAUD NOTEの録音品質を確認し文字起こし精度に差があるか評価をしてみます。
①PLAUD NOTEをスマホに取り付けて通話録音(スマホカバーなし)
スマートフォンで「通話録音」をする想定で録音します。スマートフォンのEar Speakerから音源を再生して録音します。
音源は、PLAUD NotePinでも利用した「DX推進の為の仮想会議(AI音声)」を使用します。
こちらのテストでは、スマホカバーなしで、直接スマートフォンにPLAUD NOTEを貼り付けて録音します。
<PLAUD 通話録音モード(カバーなし)>
<文字起こし結果>
誤字箇所≒70ヵ所程度
誤字率:2.8%
スマホカバーなしで、PLAUD NOTE専用ケースに入れたPLAUDNOTEを直接貼り付けている状態で手にもって録音しました。よりリアルな通話録音環境です。
結果的にはノイズが思ったより乗ったので、誤字率としては、PLAUD Notepinのポケットに入れて録音した一番悪い条件より誤字率が高くなってしまいました。
何度か試行錯誤していくとノイズをできるだけ受けない方法で録音できるかもしえませんが、少し残念な結果になりました。
ただし、この状態でも要約(下記)では、適切に補完され、ほぼ完ぺきな状態で出力されている点は流石と言えます。

②PLAUD NOTEをスマホに取り付けて通話録音(スマホカバーあり)
①と同じ条件ですが、こちらはスマホカバーを取り付けた状態で、カバー越しにPLAUD NOTEを貼り付けています。
少し厚めの手帳型スマホカバーを使っていますが、通常の使用では、この状態で使用することになる為、①と同等程度の性能は発揮してほしいところです。
<PLAUD 通話録音モード(カバー越し)>
<文字起こし結果>
誤字箇所≒63ヵ所程度
誤字率:2.6%
こちらも、スマホカバーなしと同様に、ノイズが結構のっています。しかし誤字率は、カバーありと比較して、誤差の範囲ですが、少しマシになりました。持ち方に少し気を使ってみた分、結果が良くなった可能性があります。
この結果から、スマホカバーあり・なしでは、結果はほぼ変わらないという事が分かりました。
③PLAUD NOTEをテーブルに置いてPCからの会議音源を録音
こちらのテストでは、WEB会議に参加していることを想定して、ノートPCのスピーカー音源を約50cm程、離れた場所にPLAUD NOTEを置いて録音します。モードは「通常録音モード」です。PLAUD NotePinではネクタイピンとして取り付けた時に近いパターンと言えそうです。
<PLAUD 通常録音モード(Sample音源)>
<文字起こし結果>
誤字箇所≒15ヵ所程度
誤字率:0.6%
PLAUD NotePinのネクタイピンスタイルでの誤字箇所が、30ヵ所程度でした。それと比較してもとても良い結果になりました。
ただし、NotePinの身に着けて録音するという点と、PLAUD NOTEのテーブルに置いて録音するのでは、PLAUD NOTEの方が条件が良くなると考えられます。それを差し引いて考えれば、両デバイスで録音性能にほとんど差は無さそうです。
PLAUD NOTEの録音性能に関する総評
今回「通話録音モード」と「通常録音モード」で3パターン検証してみました。
通話録音モードでは、思ったよりノイズが乗ってしまい、誤字が多く出てしまいました。誤字になっているところは、ノイズと重なって、声が不明瞭になっている場所や、持ち歩くことによって音の強弱が変化した部分が影響していました。
使い慣れてくるとノイズが乗りにくい録音の方法もわかってくるかもしれません。また多少誤字があっても要約の精度は高く、実用性としては十分です。
「通常録音モード」の据え置き録音では、誤字率はかなり低く、レコーダーとしても優秀な結果となりました。ウェアラブルデバイスのPLAUD NotePin(プラウドノートピン)と比較して、差分もほぼなく、両デバイスとも、高い録音性能が確認できました。
この結果から、スマートフォン通話録音を行いたいか、普段から身に着けて日常的に使いたいか、という違いで、どちらを選ぶか判断して良さそうです。
PLAUD NOTEとPLAUD NotePinを2台管理できるか?
PLAUDアプリでは、PLAUDデバイスは1つしか接続できないので、2つ目のデバイスを登録する場合は、接続済みのPLAUDデバイスを解除してから、改めて接続する必要があります。
手順は、プラウドアプリの以下の場所より、PLAUDデバイスの追加を選び、PLAUD NOTEの場合は録音ボタンを2秒押して、点滅状態にすればデバイスを見つけてくれます。
この際、プラウドアプリでブルートゥースを使えるように権限を与えてあることが大切です。

一度接続したデバイスは次の画面のように、リストに残りますので、2回目以降の接続は簡単です。同期したいデバイスを選び接続すれば、録音したデータをPLAUDアプリ、又はPLAUD WEB(PC)で全て確認することができます。PLAUDアプリ(WEB)側でも、どのソースからの音源かは、一目でわかるように工夫されていますので、どの音源が何の会議か?など迷うことは少ないでしょう。

本心を言うと、用途の違うPLAUD NOTEとPLAUD NotePinは二つ持ちする人も多くいると思ので、この2つのデバイスが常に接続状態でシームレスに同期してくれれば最高だなと思いました。しかし、そこはブルートゥースデバイスの限界で、仕方ありません。
多様な文字起こしが可能なPLAUDプラットフォームの進化は止まらない
PLAUDでは、現時点で以下の計4種の音源の文字起こしが可能です。以下、それぞれの特徴と共にリストにしてみます。
種別 | 装着場所 | 備考 |
PLAUD NOTE | 主にスマートフォン | スマホ通話録音、WEB会議 |
PLAUD NotePin | ウェアラブルデバイス | 対面会議、WEB会議 |
PLAUD デスクトップAPP(Beta) | PC上の音源キャプチャ | WEB会議やWEB動画の文字起こし・要約が可能。 PLAUD WEBからAPPとしてインストール可能。 |
インポート | 音源インポート | PLAUD以外の録音デバイスの音源などの文字多し |
以上のように、PLAUDは現在、スマートフォンやウェアラブルデバイス用というだけでなく、インポート音源や、PC向けのデスクトップソフト「PLAUDデスクトップAPP」も提供しており、これはYoutube音源やTeamsなどで行われるようなPC同士のWEB会議の音源・文字起こし・要約も簡単に行う事ができるようになっています。
折角なので、「PLAUDデスクトップAPP(Beta)」を使って、テスト用会議音源を録音し、文字起こしテストをしてみました。これは、スピーカーから出ている音源をPCのマイクでキャプチャをしているので、ノートPCのマイク性能に依存しますが、結果は以下の通りでした。
<PLAUDデスクトップAPP(Beta)文字起こし結果>
<文字起こし結果>
誤字箇所≒9ヵ所程度
誤字率:0.4%
素晴らしい結果になりました。ほぼ、生音をインポートして文字起こししたものと同じ、精度の高い結果です。この機能が、無料で提供されているというのはすごいことです。
他社でも「AI文字起こし要約サービス」はいくつかあり、AIサービスの記事を書いている手前、調査も行っています。しかし、ここまで総合的で多様なシーンで活用できるAI文字起こしプラットフォームを、しかもリーズナブルに提供しているのは、間違いなくPLAUDのみです。
今年に入り、PLAUDは文字起こし時間無制限のアンリミテッドプランの提供も開始しました。これと合わせれば、デバイスやPC同士の会議録音まで、業務関連の音源は全て録音して、文字起こしできるということ実現します。もはや完全無欠なAI文字起こしプラットフォームではないでしょうか。
優秀なアシスタント「AskAI」
この総合的なPLAUDプラットフォームの実運用を開始すると、どんどんデータが貯まっていきます。そうなると、データがどこにあるのかを探すことも困難になってきます。そこでプロプラン以上で提供されているASK AI機能が活きてきます。

過去、文字起こししたデータは、全てクラウド上に保存されているので、過去のデータから必要なデータをまとめて摘出することも、進捗を確認することも、会議で決めるべき課題までも、AIがアドバイスしてくれます。
今まで、記憶に頼っていた、”曖昧な作業が明確になり”、”拡張”された記録として提供されるようになります。まさに、これまでにない体験を提供してくれるプラットフォームだと言えるでしょう。
【まとめ】PLAUD NOTE x PLAUD NotePinレビュー
PLAUD NOTEとPLAUD NotePinは、どちらも高精度な録音とAI文字起こし機能を備えたデバイスですが、それぞれに明確な特徴と用途の違いがありました。
ハードウェア面の主な違いとしては、PLAUD NotePinは小型・軽量かつウェアラブルに優れており、防滴対応で携帯性・利便性に強みがあります。一方、PLAUD NOTEはスマホ通話録音に対応しており、長時間バッテリーや大容量で、据え置き利用や通話記録に最適です。
録音性能においては、通話録音ではノイズの影響が出る場面もあり、文字起こし精度はやや落ちたが、要約は高精度に出力された。通常録音では、PLAUD NotePinと比べて性能差はほぼ無く、通話録音の有無、そして、ハードウェア要件が用途や使い方にあっているかで選ぶと良い。
さらに、PLAUDはスマホ・ウェアラブルデバイスだけでなく、PC用のデスクトップアプリや音源インポート機能にも対応し、WEB会議・動画などあらゆる音源を簡単に文字起こし&要約できるようになっています。特にデスクトップAPPの精度は非常に高く、文字起こし時間さえ確保すれば、アプリは無料で使えるのも他社サービスと比較して強みになります。気にすべきは、”文字起こし時間”のみですが、ヘビーユース向けにはアンリミテッド(無制限)プランもリーズナブルに用意されているので安心です。
文字起こしの実用性も抜群で、プロプラン以上で解放される「AskAI」機能により、過去の文字起こしデータから情報検索や進捗管理などを串刺し検出とアドバイスまでをこなす。まさに記憶の保管だけでなく“拡張”を実現する新しい体験を提供してくれます。
そしてPLAUDプラットフォームは、かなりの頻度でアップデートされているので、今後も新しい機能が追加されていくでしょう。当サイトでも頻繁にPLAUDを特集してきましたが、アップデートに追いつけないほどです。
最強のAI文字起こしプラットフォーム「PLAUD」、今後も目が離せません!