お茶を楽しむ際に欠かせないお茶パックですが、その素材には慎重に選ぶべき理由があります。お茶パックの中には、プラスチック素材が含有している製品が多く、熱湯の中でマイクロプラスチックを放出することもあります。
この問題への対応として「プラスチックフリー」お茶パックの選択が重要です。プラスチックフリーでZERO WASTE(ゼロウェイスト)な生活は、持続可能な社会に貢献するだけでなく、私たち自身の健康を守るためにも知っておく必要があります。
この記事では、マイクロプラスチックのリスクを知ることとプラスチックフリーのお茶パックの選び方を詳しく解説します。また、お茶パックを含むプラスチックフリーでサステナブルなおすすめ製品の入手先を紹介し、どのようにして日常生活で便利に簡単にゼロウェイストを実践できるかをご案内していきます。
お茶パックのプラスチックフリーは必要か?
- プラスチックフリーとは何か?
- お茶パックの袋の素材は何ですか?
- マイクロプラスチックの潜在的危険性
- マイクロプラスティックは乳幼児にも影響を与えている
- 水出しでも危険か?
- 安全なプラスチックフリーお茶パックの選び方
- プラスチックフリーかつZERO WASTE (ゼロウェイスト)を推奨すべき理由
- 【日本製】コットン100% 「お茶がおいしくでるパック」
- 繰り返し使える!安心素材のプラチナシリコーン製保存容器「スタッシャー(Stasher)」
- 自然素材で繰り返し使える!「Kokebee」のみつろうエコラップ
プラスチックフリーとは何か?
プラスチックフリーとは、製品の製造、包装、そして日常生活でプラスチック素材を使用しないことを目指す環境保護の取り組みです。このアプローチは、環境への負荷を軽減し、プラスチック廃棄物による海洋汚染や野生生物への影響を削減することを目的としています。プラスチックフリーの実践には、使い捨てプラスチック製品の使用を避けることから始まります。例えば、プラスチック製のストローや食器ではなく、金属、ガラス、竹などの再利用可能または生分解性の高い素材を選ぶことが推奨されます。
さらに、プラスチックフリーの生活は、単にプラスチックを避けるだけでなく、消費者として持続可能な製品選択を意識することも含まれます。これにより、製品のライフサイクル全体での環境への影響を最小限に抑えることができます。
しかし、すべてのプラスチックを避けることは非現実的である場合もあり、重要なのはプラスチック使用の削減と適切なリサイクル、そして資源の再利用を一人一人が少しづつ意識して取り組んでいくことです。
このような取り組みが、個人の生活だけでなく、業界全体を動かし、持続可能な製品設計と消費の変革を促していくと期待されています。
お茶パックの袋の素材は何ですか?
お茶パックの袋に使用される素材は大きく分けて、プラスチックを含む合成素材と天然素材の二つがあります。市場に出回っている多くのティーバッグは、耐熱性や水分を通しやすい特性が求められるため、ポリプロピレンやナイロンといった合成ポリマーを素材として採用しています。これらの素材は製造コストが低く、形状を保持しやすいという利点がありますが、環境への影響が懸念されており、使用後のリサイクルや分解が困難です。
一方で、環境保護を重視するブランドや消費者の間では、コットンや麻、竹などの天然素材を使用したティーバッグが注目を集めています。これらの素材は自然に戻りやすく、生分解性が高いため、環境への負担が少ないとされています。しかし、天然素材を使用したティーバッグは、製造コストが高くなる傾向にあるため、価格がプラスチック製ティーバッグに比べて高めに設定されていることが一般的です。また、天然素材はその強度や耐久性が合成素材に劣る場合があるため、製品選びにはそれらの特性を理解した上で選択することが重要です。
下記は某大手スーパーのPBブランドの麦茶の成分表です。どこで使われているかまではわかりませんが、PET、ポリプロピレンなどが使用されています。

マイクロプラスチックの潜在的危険性
マイクロプラスチックとナノプラスチックは、特にプラスチック素材を使用したティーバッグからのリスクが指摘されています。2019年のカナダ・マギル大学の研究によると、プラスチック製のティーバッグを熱湯に浸すと、1袋から約116億個のマイクロプラスチック粒子と約31億個のナノプラスチック粒子が溶出することが明らかにされました。これは、通常の飲食物に含まれるプラスチック量の数千倍に上る量です。
この驚くべき量のプラスチック粒子の放出は、プラスチック素材のティーバッグ、特にポリプロピレンを接着材として使用しているものから観測されています。この研究結果は、ティーバッグの使用が人体に与える潜在的な健康影響について、さらなる科学的調査の必要性を浮き彫りにしています。
現時点でマイクロプラスチックが人体に及ぼす具体的な健康影響は明らかではありませんが、世界保健機関(WHO)もこれまでのところマイクロプラスチックによる健康被害は確認されていないと報告しています。それにも関わらず、限られた情報しかない中での懸念から、継続的な研究が強く推奨されています。
このような背景から、消費者はプラスチックフリーのティーバッグや天然素材を使用した製品を選ぶことで、マイクロプラスチックのリスクを減らす選択をすることが推奨されます。また、食品や飲料の安全性を高めるために、環境に優しい製品選びが重要であると再認識されています。
マイクロプラスティックは乳幼児にも影響を与えている
最近の研究により、乳幼児の体内にもマイクロプラスティックが蓄積されていることが確認されました。特に、使用済みのおむつから検出されたポリエチレンテレフタレート(PET)の量が、成人の排出量の約10倍に達していることが明らかになりました。この研究は、乳幼児が日常生活でどれだけ多くのマイクロプラスティックに晒されているかを示しています。
マイクロプラスティックは、プラスティック製品が破片化する過程で生じる微小な粒子で、私たちの環境の至るところに存在しています。これらの粒子は非常に小さいため、人間の体内に侵入しやすく、乳幼児は特にこれらの粒子に晒されやすい状況にあります。乳幼児は地面に近いところで活動する時間が長く、また物を口にする習性があるため、家庭内のほこりや空気中の微粒子を通じてマイクロプラスティックを摂取する可能性が高まります。
また、哺乳瓶やプラスティック製のおもちゃ、食品の包装など、乳幼児が日常的に接触する多くの製品がマイクロプラスティックの源となっています。さらに、プラスティック製のおむつもこれらの微小なプラスティック粒子の潜在的な供給源です。
この研究結果は、乳幼児の健康への潜在的なリスクを指摘しており、乳幼児の保護者や保育関連の専門家にとって重要な情報となります。乳幼児がマイクロプラスティックに晒されることの影響はまだ完全には理解されていませんが、早期発達段階での化学物質への曝露が将来的な健康問題につながる可能性があります。そのため、乳幼児の周囲の環境をできるだけ清潔に保ち、プラスティックの使用を控えることが推奨されています。
この研究は、私たちが日常生活で使用するプラスティックの量を減らし、特に未来の世代に安全な環境を提供するために、さらなる対策を講じる必要があることを強調しています。
水出しでも危険か?
水出しのお茶やコーヒーに関して、マイクロプラスチックのリスクは温度が低いため一般的には少ないとされますが、完全に安全であるとは断言できません。特にプラスチック製のティーバッグやフィルターが関与する場合、長時間水に浸されることで微細なプラスチック粒子が溶出するリスクは残ります。プラスチック製のティーバッグでは、ポリプロピレンやナイロンといった材料が使用されており、これらは水に長時間さらされても化学物質を少量ながら放出する可能性があります。
水出しの場合、温水を用いる抽出方法に比べてプラスチックからの化学物質の溶出は減少するものの、完全には避けられないというのが現状です。したがって、安全性を最優先するならば、プラスチックフリーのティーバッグや、天然素材で作られたフィルターの使用が推奨されます。例えば、紙製や綿製、あるいは麻製のティーバッグは、環境に優しく人体にも安全な選択肢と言えます。これらの素材は化学物質のリリースが少ないため、マイクロプラスチックによる潜在的な健康リスクを軽減できるでしょう。
安全なプラスチックフリーお茶パックの選び方
安全なプラスチックフリーお茶パックを選ぶ際には、まず素材が何でできているかを確認することが重要です。天然素材で作られたティーバッグを選ぶことで、マイクロプラスチックのリスクを避けることができます。例えば、有機コットンや麻、竹などの素材は自然に分解されやすく、環境にも優しい選択肢です。さらに、製品の包装にも注目しましょう。プラスチックやアルミニウムを含まないパッケージを選ぶことで、廃棄物の削減にも貢献できます。また、製品が有機栽培のお茶であるかどうかもポイントです。
つまり、最も有益なプラスチックフリーなお茶の入れ方は、有機栽培されたお茶を材料で買い、再利用可能な有機ティーバッグを使い入れることで、環境に配慮した安全なお茶を楽しむことができる選択肢の一つと言えるでしょう。
プラスチックフリーかつZERO WASTE (ゼロウェイスト)を推奨すべき理由
プラスチックフリーかつゼロウェイストを推奨する理由は、環境への影響を最小限に抑えるためです。プラスチック製品の生産と廃棄は、温室効果ガスの排出を増加させ、海洋汚染の主要な原因となっています。また、プラスチックは分解されにくく、自然環境に長期間残り続けるため、生態系に悪影響を与える可能性があるだけでなく、食物連鎖の観点から結局それは自分に返ってくることになります。
これに対し、ゼロウェイストのアプローチでは、廃棄物を出さないような買い物を心がけることと、リサイクルや再利用を徹底することでゴミ自体を減らし、自然環境への負担を和らげ、資源の持続可能な利用を目指します。このような生活スタイルは、地球温暖化の進行を遅らせ、未来の世代にクリーンな地球を残すためにも非常に重要です。プラスチックフリーとゼロウェイストの実践は、個人の選択が大きな変化を生み出す第一歩となります。
プラスチックフリーお茶パック等のおすすめ製品
ここからは、プラスチックフリーでゼロウェイストなアプローチを無理なく実践していくためのおすすめ製品やブランドをご紹介していきます。
①【日本製】コットン100% 「お茶がおいしくでるパック」
愛媛県の紙加工を行う「スバル株式会社」が、やわらかいコットン生まれの自然派素材「ベンリーゼ(旭化成)」を使用した、お茶パック。
同製品は、お茶パックで初めてのエコマークを取得し、底が広がるガゼット式なので、お茶の葉がよく広がり、お茶がおいしく早くいただけます。
1枚1枚にお茶を入れる目安のラインがついており、お茶の葉を毎回、適量で入れられるので、美味しいお茶がたてられます。60枚入りで280円と安価なので、安全な素材で、使い捨てでつかっても、環境にも体にも、一切負荷をかけません。
安心して使える日本製で、リーズナブルで使いやすいお茶パックって意外と探して見つかりませんので、このお茶パックは今後も長く販売してくれることを願います。

②繰り返し使える!安心素材のプラチナシリコーン製保存容器「スタッシャー(Stasher)」
スタッシャーは、使い捨てプラスチックごみを減らしたいという想いから生まれた、世界初の密閉できるシリコーン製保存容器です。
食品グレードの安全なプラチナシリコーン100%で作られており、ピンチロックシステムで密閉が可能。繰り返し洗って使えるため、使い捨てのプラスチック袋の代わりに食品の保存や持ち運び、さらには加熱調理(湯せん、電子レンジ、オーブン)にも対応します。環境への配慮と利便性を両立した、プラスチックフリー生活の頼れるアイテムです。
定番サイズで使いやすい「サンドイッチ」
スタッシャーの中でも特に人気の定番サイズが「サンドイッチ」です。
名前の通りサンドイッチを入れるのにぴったりですが、作り置きのおかず、カット野菜、お菓子、旅行時のアメニティグッズの持ち運びなど、幅広い用途に活躍します。
薄型でマチがないため、冷蔵庫やカバンの中でもスペースを取らず、すっきりと収納できるのが魅力です。カラーバリエーションも豊富で、可愛いデザインが持ち歩きたくなりますね。初めてスタッシャーを使う方にもおすすめの基本となるサイズです。
自立して保存も調理も便利な「スタンドアップ ミディアム」
マチが付いていて自立するのが「スタンドアップ」タイプです。中でも「ミディアム」サイズは、約1.6Lの容量があり、作り置きのスープやカレー、カットした大きめ野菜、お米などの保存に適しています。
口が広いので食材を入れやすく、液体も安定して保存できます。また、湯せん調理や、下味をつけた食材をマリネする際にも便利。立てて収納できるため、冷蔵庫やキッチンの棚でも場所を取りません。使い方の幅が広がる便利な形状です。
③自然素材で繰り返し使える!「Kokebee」の[みつろうエコラップ]
「Kokebee(コケビー)」は、使い捨てプラスチックを減らし、地球に優しい暮らしを提案するブランドです。
主力製品は、オーガニックコットンや麻の生地に、抗菌・保湿効果のあるみつろう、オーガニックホホバオイル、天然樹脂を独自の配合で染み込ませた「みつろうエコラップ」。手の温もりで柔らかくなり、様々な形の容器や食材にフィットさせることができます。
通気性があり、食品の鮮度を保つのにも役立ちます。洗って繰り返し使えるだけでなく、最後は土に還る、環境に優しい食品用ラップです。様々な柄や無地のタイプ、自分で作れるDIYキットも提供しています。
まずは試したい「Kokebee みつろうエコラップ SML 3枚セット」
Kokebeeのみつろうエコラップを初めて使う方におすすめなのが、S・M・Lの3サイズが入ったセットです。
Sサイズはコップの蓋や小さな野菜の切り口に、Mサイズはお皿やボウルのカバー、チーズやサンドイッチのラッピングに、Lサイズはキャベツや葉物野菜、パンなどを包むのに便利です。
用途に合わせてサイズを選べるため、毎日のキッチンで幅広く活躍します。かわいいデザインも豊富で、キッチンを明るく彩ってくれるのも嬉しいポイント。使い方は簡単で、使用後は冷水で優しく洗い、自然乾燥させるだけで繰り返し使えます。
お茶パックをプラスチックフリーがお勧めな理由の総括
以下、記事の内容を纏めます。
- プラスチックフリーとは、製品の製造から日常生活までプラスチックを使用しないことを目指す環境保護の取り組み
- プラスチックフリーの目的は、環境負荷の軽減と海洋汚染の削減
- プラスチックフリーには、使い捨てプラスチック製品の使用を避けることが含まれる
- 金属、ガラス、竹などの再利用可能または生分解性の高い素材を使用することが推奨される
- プラスチックフリーは消費者として持続可能な製品選択を意識することも含む
- 全てのプラスチックを避けることは非現実的であり、プラスチック使用の削減と適切なリサイクルが重要
- お茶パックの素材には合成素材と天然素材が存在する
- 多くのティーバッグはポリプロピレンやナイロンなどの合成ポリマーを素材として採用
- 環境保護を重視するブランドでは、コットンや麻などの天然素材を使用したティーバッグが人気
- 天然素材のティーバッグは製造コストが高く設定されがち
- マイクロプラスチックはプラスチック製ティーバッグからのリスクが指摘されている
- 研究によるとプラスチック製のティーバッグからは、熱湯により多量のマイクロプラスチックが放出されることが明らかにされた
- プラスチックフリーのティーバッグの使用は、マイクロプラスチックリスクを減らす
- プラスチックフリーお茶パックの選び方には、素材の確認が必要
- 有機栽培されたお茶を使用し、再利用可能なティーバッグを使うことが推奨される