エラグ酸は、健康と美容に多くの効果が期待される天然のポリフェノールですが、その「危険性」や「副作用」を気にする方も多いでしょう。本記事では、「エラグ酸」の効果や「効果がない」と感じる場合の理由、さらにはエラグ酸を多く含む食品や食べ物について詳しく解説します。エラグ酸の効果的な摂取の方法、注意点や安全性について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
- エラグ酸の効果と健康への利点
- エラグ酸の危険性や副作用、そして注意点
- エラグ酸を多く含む食品とその摂取方法
- エラグ酸の効果を感じにくい場合の対策
エラグ酸は効果あり?なし?含有量の多い食品と危険性や副作用について
エラグ酸とはどんな成分?
エラグ酸の効果はあるの?ないの?
エラグ酸の危険性や副作用はあるか?
いつ摂るのが効果的ですか?
エラグ酸が含まれる食べ物
エラグ酸は1日にどれくらい摂ればいい?
エラグ酸とはどんな成分?
エラグ酸は、天然のポリフェノールの一種で、特にベリー類やナッツ類に多く含まれています。この成分は強力な抗酸化作用を持ち、健康と美容の両方に多くの効果をもたらします。
エラグ酸は1831年にフランスの化学者アンリ・ブラコノーによって初めて発見されました。その名の由来は、フランス語で虫こぶを意味する「galle」を逆さまに読んで命名されたことによります。1996年には日本の厚生労働省によって医薬部外品として認可されています。
エラグ酸の特徴的な点は、その抗酸化作用です。抗酸化作用とは、体内で発生する活性酸素を中和し、細胞の損傷を防ぐ働きです。これにより、エラグ酸は老化防止や生活習慣病の予防に役立つとされています。また、エラグ酸は植物の苦みや色素の成分でもあり、自然界では植物が自らを紫外線などの有害な環境から守るために生成しています。
エラグ酸は、多岐にわたる健康効果から注目されています。次の章で詳しく見ていきます。
エラグ酸の効果はあるの?ないの?
エラグ酸は、健康と美容、そして特に年齢を重ねた方にとっての若さを保つ為の効果が期待される成分として注目されています。以下に、エラグ酸が持つとされる主な効果とその理由について詳しく解説します。
- 抗酸化作用
エラグ酸は抗酸化作用があるとされ、体内で発生する活性酸素を中和する働きが期待されています。活性酸素は細胞を酸化させ、ダメージを与える可能性があるため、エラグ酸の抗酸化作用により、細胞の損傷を防ぐ助けになると考えられています。これが、老化の進行を遅らせ、健康維持に寄与するとされる理由です。 - 美白効果
エラグ酸は、メラニン生成を抑制する作用があるとされています。メラニンは肌が紫外線を受けた際に生成される色素で、シミやそばかすの原因となります。エラグ酸がチロシナーゼという酵素の働きを抑えることで、メラニンの生成を抑制し、結果としてシミやそばかすの予防に役立つとされています。 - 抗炎症作用
エラグ酸には、体内で炎症を引き起こす物質の活動を抑制する作用があるとされています。これにより、関節痛や皮膚の炎症など、慢性的な炎症に関連する症状の緩和が期待されます。 - 脂肪代謝の促進
エラグ酸は脂肪の代謝を促進し、体脂肪や内臓脂肪の蓄積を抑える効果があるとされています。エラグ酸が脂肪細胞の生成を抑制し、脂肪分解を促進することで、体重管理やウエスト周囲径の適正化に役立つと考えられています。 - 抗菌・抗ウイルス効果
エラグ酸には抗菌・抗ウイルス作用があるとされ、日常生活での健康維持に寄与する可能性があります。これは、エラグ酸が細菌やウイルスの増殖を抑制するためとされています。 - 血糖値の管理
エラグ酸はインスリン抵抗性を改善し、血糖値の管理をサポートする可能性があります。インスリン抵抗性は糖尿病の主要な要因の一つであり、エラグ酸がこの抵抗性を低減することで、血糖値のコントロールに役立つとされています。 - 肝機能の保護
エラグ酸は肝臓の健康を維持し、肝機能を保護する効果が期待されています。これは、エラグ酸が肝細胞を保護し、肝臓の解毒作用をサポートするためと考えられています。 - 脳神経細胞の保護
エラグ酸は脳神経細胞を保護する作用があるとされています。エラグ酸の抗酸化作用と抗炎症作用により、神経細胞の損傷を防ぎ、認知機能の維持やサポートに役立つとされています。
尚、エラグ酸の効果は個々の体質や健康状態によって異なるため、効果を保証するものではありません。また、当然ながらエラグ酸のみで健康を維持することはできません。健康的な生活を送るためには、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休息は不可欠です。
エラグ酸を摂取しても、効果はなしと感じる場合は、生活全般を見直しを行いつつ、エラグさんを取り入れる、総合的なアプローチを目指すようにしましょう。
エラグ酸の危険性や副作用はあるか?
エラグ酸は、ベリー類やナッツ類などの自然食品に含まれる成分で、通常の食事から適量を摂取する場合には一般的に安全とされています。しかし、サプリメントなどで高濃度に摂取する場合には、いくつかの注意点があります。
エラグ酸の過剰摂取によるリスク
エラグ酸は通常の食事から摂取する分には安全ですが、サプリメントなどで過剰に摂取すると、以下のようなリスクが考えられます。
- 胃腸の不調: 過剰摂取により、胃腸に負担がかかり、不快感や消化不良が生じることがあります。
- アレルギー反応: 特に既存のアレルギーを持つ方は、エラグ酸の過剰摂取によってアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
- 肝臓への影響: 動物実験では、エラグ酸の高用量摂取により肝臓に影響を及ぼす可能性が示唆されています。
相互作用の可能性
エラグ酸に限ったことでもありませんが、下記で示すエビデンスからは、他の薬剤と相互作用を起こす可能性が示唆されています。現在継続的な投薬治療を行っている方が、サプリメントなどから高濃度高容量のエラグ酸を摂取する場合は、必ず、医師に相談してから、摂取しましょう。
長期的な影響
現在のところ、エラグ酸の長期的な影響についての研究は十分ではありません。したがって、長期間にわたりエラグ酸を摂取する場合は適切な量をまもり、経過を見ながら様子がおかしい場合などは、摂取を止め医師と相談するようにしましょう。
以上、エラグ酸は自然食品から適量を摂取する場合には一般的に安全とされており、通常の食事で問題が生じることはほとんどありません。ただし、これはエラグ酸に限ったことでもありませんが、サプリメントでの過剰摂取や、継続的に投薬治療を行っている場合の併用に際しては注意が必要し、医師と必ず相談しましょう。
エビデンス
エラグ酸の安全性に関する調査内容については、以下の資料などを参考にしています。
- 厚生労働省「食品添加物の評価に関する資料」(https://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/09/dl/s0924-15q.pdf )
- 消費者庁「機能性表示食品の届出情報」
(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42006290530301)
いつ摂るのが効果的ですか?
エラグ酸を摂取自体は何時摂取しても問題ありませんが、最適なタイミングとしては、朝食時や食事と一緒に摂るのがおすすめです。
まず、朝食時に摂取することで、一日の始まりにエラグ酸の抗酸化作用を活かせます。エラグ酸は抗酸化物質として体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。朝食時に摂ることで、一日の活動に伴って発生する活性酸素から体を守りやすくなることが期待できる可能性があります。
また、エラグ酸は脂肪の代謝を促進し、体内の脂肪蓄積を抑える効果が期待される為、食事と一緒に摂取することで、食後の血糖値の急上昇を抑える効果も期待できる可能性があります。
さらに、エラグ酸の効果を最大限に引き出すためには、継続的に摂取することが重要です。一度に大量に摂るよりも、毎日一定量を摂る方が効果的です。サプリメントを利用する場合は、パッケージに記載されている摂取量を守り、過剰摂取を避けるようにしましょう。
エラグ酸を摂取する際の注意点として、空腹時の摂取は避けた方が良いでしょう。空腹時に摂ると胃に負担がかかる場合があるため、食事と一緒に摂るのが安全です。
エラグ酸は危険性や副作用は無さそう。では含有量が多い食品は?
エラグ酸が含まれる食べ物
エラグ酸は特定の果物やナッツ類に豊富に含まれるポリフェノールの一種です。これらの食品を日常的に摂取することで、エラグ酸の健康効果を得ることができます。以下にエラグ酸が多く含まれる食べ物を箇条書きで紹介します。
ベリー系
エラグ酸を最も多く含む食品群です。日常の食事に取り入れやすいので、積極的に摂取することをおすすめします。
- ブラックベリー
- ラズベリー
- ストロベリー
- クランベリー
- ポイズンベリー
- サンタベリー
- ぶどう
ザクロ
ザクロはエラグ酸を豊富に含む果物の一つで、ジュースやサラダのトッピングとして利用できます。
- ザクロ
ナッツ類
エラグ酸を含むナッツ類は、そのままおやつとして、または料理に加えて摂取することができます。
- クルミ
- ペカンナッツ
- アーモンド
- カシューナッツ
マメ科の植物
タラなどのマメ科の植物にもエラグ酸が含まれています。スーパーフードとして注目されています。
- タラ
この中でも特にエラグ酸を多く含む食材は以下の3つ
- ブラックベリー
ブラックベリーはエラグ酸の含有量が非常に高く、最も効果的にエラグ酸を摂取できる食品の一つです。スムージーやサラダに加えたり、ヨーグルトと一緒に食べると良いでしょう。 - ラズベリー
ラズベリーもエラグ酸を豊富に含んでおり、ブラックベリーと同様にさまざまな料理やデザートに利用できます。新鮮なラズベリーをそのまま食べるのはもちろん、冷凍ラズベリーを使ったスムージーもおすすめです。 - ザクロ
ザクロには多量のエラグ酸が含まれています。ザクロジュースやザクロの実をサラダにトッピングすることで、手軽にエラグ酸を摂取できます。また、ザクロはビタミンCやカリウムも豊富で、美容と健康に役立ちます。
これらの食品をバランスよく取り入れることで、エラグ酸の健康効果を効率よく得ることができます。日々の食事に少し工夫を加えて、エラグ酸を含む食品を摂取する習慣をつけることが大切です。
エラグ酸は1日にどれくらい摂ればいい?
エラグ酸の摂取量については、具体的な推奨摂取量が公式に定められているわけではありません。しかし、研究や臨床試験から得られたデータをもとに、健康効果を得るための目安として一般的に1日3mgから10mg程度のエラグ酸を摂取することが良いとされているようです。
上記で記載したエラグ酸を多く含む食材には、凡そ以下の含有量があります。
- ブラックベリー: 約100gでおおよそ4-5mgのエラグ酸を摂取できます。
- ラズベリー: 約100gでおおよそ3-4mgのエラグ酸を摂取できます。
- ザクロ: 約100gでおおよそ2-3mgのエラグ酸を摂取できます。
これらの食品は、エラグ酸を摂るだけでなく、エラグ酸以外の栄養素も豊富に含有しているため、日常的に摂取できるようにするとよい効果を得られるでしょう。
ただし、食材からでは、継続的に摂取するということは難しい為、必要であればサプリメントを補助的に使うのも有効です。サプリメントの場合は、高濃度であることが多いため、パッケージに記載されている摂取量と食事からの摂取量も考慮し、過剰摂取を避け適切な量を守るようにしましょう。
知っておこう。エラグ酸の代謝物であるウロリチンA
エラグ酸はベリー類やザクロに豊富に含まれるポリフェノールの一種ですが、体内に摂取されたあと、腸内細菌によって代謝され、ウロリチンに代謝され、ウロリチンは最終的に「ウロリチンA」へと変わります。このウロリチンが細胞の老化を遅らせる効果など様々が、健康促進効果があるとされているのです。
これは、「ウロリチンA」がオートファジーという細胞の自浄作用を促進するためです。オートファジーとは細胞内の不要な物質を分解し、再利用する仕組みで、細胞を健康な状態に保ちます。この為、ウロリチンAには若さを保つ効果があるとされています。
また、ウロリチンAには抗炎症作用もあります。慢性的な炎症は様々な生活習慣病のリスクを高める要因の一つになります。ウロリチンAの抗炎症作用により、これらの予防や軽減が期待されます。
さらに、ウロリチンAは筋肉の健康維持にも寄与します。特に、加齢による筋肉量の減少(サルコペニア)を防ぐ効果があり、運動能力の維持や向上にもつながります。ウロリチンAは筋肉のミトコンドリア機能を改善し、エネルギー代謝を高めることで、筋力をサポートします。
しかし、出発物質であるエラグ酸からウロリチンに、そして、ウロリチンAへ代謝する過程において腸内細菌の状態に大きく依存します。簡単に言うと、腸内細菌のバランスが悪いと、エラグ酸からウロリチンAへの変換がうまく行われない場合があるということになります。
こちらが日本人のウロリチンAが代謝可能かどうかの統計結果におけるパーセンテージです。
つまり、いくらザクロやブラックベリーを食べても、日本人の約半数はウロリチンAを生成できないということになります。
では、ウロリチンAを生成できない場合、どのような対策を講じることができるでしょうか。
まず、バランスの良い食事を心がけることが基本です。食物繊維や発酵食品を積極的に摂取することで、腸内細菌のバランスを改善し、ウロリチンの生成を促進できます。具体的には、ヨーグルト、キムチ、納豆、チーズなどの発酵食品を日常的に取り入れると良いでしょう。また、野菜や果物、全粒穀物などの食物繊維を豊富に含む食品も積極的に摂取することが推奨されます。
さらに、プロバイオティクスの飲料やサプリメントを利用することも効果的です。これにより、腸内の有益な細菌を増やし、ウロリチンAの代謝をサポートできます。プロバイオティクスは、特に腸内細菌のバランスが崩れていると感じる場合や、食事だけでは十分な効果が得られないときに有効です。
また、ウロリチン自体を直接摂取するサプリメントもあります。こうしたサプリメントを利用することで、腸内細菌に依存せずにウロリチンの健康効果を得られることが期待できます。
このように、ウロリチンはエラグ酸から変換される重要な代謝物であり、その健康効果を最大限に引き出すためには、日常の食生活や腸内環境の管理が欠かせません。エラグ酸を摂取しても、効果なしと思っている方も、ウロリチンの代謝が適切に行われていない、腸内環境の問題である場合も考えられるでしょう。エラグ酸を多く含む食品をバランスよく摂取しつつ、腸内環境を整えることで、ウロリチンの恩恵を受けられるように、総合的な食生活を心がける必要があるでしょう。
また、最近ではウロリチンAを有効成分とするサプリメントなども販売されてきていますので、今回の内容を参考にし、サプリメントなどを適切に活用していくことも検討してみるのも有効です。
※ウロリチンAの最新の研究結果はコチラ※
機能性腸内代謝物素材ウロリチン A の開発
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/76/6/76_383/_pdf/-char/en
テレビでもエラグ酸とウロリチンの老化防止機能に着目
「カズレーザーと学ぶ」で、老化を遅らせる重要な栄養素としてエラグ酸とその代謝物であるウロリチンが紹介されています。
他にもエラグ酸→ウロリチンのオートファジー効果にメディアも注目を始めていますね!
まとめ:エラグ酸は危険性や副作用は無さそう。では含有量が多い食品は?
以上、エラグ酸の危険性や副作用、効果やおすすめの食品、そして、エラグ酸の健康効果を発揮する過程について詳しくご説明してきました。皆さんの健康や美容に少しでもプラスになり、素敵でスマートな人生を送っていただけることを願っております。
以下、記事の内容を纏めます。
- エラグ酸は天然のポリフェノールの一種である
- ベリー類やナッツ類に多く含まれている
- 強力な抗酸化作用を持つ
- 老化防止や生活習慣病の予防に役立つ
- 美白効果があり、メラニン生成を抑制する
- 抗炎症作用を持ち、炎症関連の症状を緩和する
- 脂肪代謝を促進し、体脂肪の蓄積を抑える
- 抗菌・抗ウイルス作用がある
- 血糖値の管理をサポートする
- 肝臓の健康を維持し、保護する効果がある
- 脳神経細胞を保護し、認知機能の維持に寄与する
- 過剰摂取は胃腸の不調やアレルギー反応のリスクがある
- サプリメントでの高濃度摂取に注意が必要
- ブラックベリー、ラズベリー、ザクロに多く含まれる
- 適切な摂取量を守り、バランスの取れた食事が重要
- エラグ酸の代謝物であるウロリチンAの生成には個人差がある